小休止

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Fermata

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幼年期、ピアノの稽古に励んだ私は、いくつか楽典用語を覚えた。その中でフェルマータは好きな言葉となって、日常の中でも何だか使っている。演奏を一時休止、その長さは奏者に任されるという指示だ。

ここのところ、木曜日に仙骨の調整をすると、週末はフェルマータとなっている。特に日曜日は昏々と眠ってしまう。せっかくたっぷり時間があるんだから絵を描きたいなぁと思うんだけど、目を開けていられない。南先生から身体は休む方を優先しているのでしょう、改善してい行くときの症状は、悪化するときとは違って、軽いはずですと伺った。確かに、あの見えない炎がぼうぼうと頭の上で燃え上がるような感じは既にない。

眠りの中で、昨日は母と祖母に会った。家で普通に話しをした。話しながら昔はそんな風に思っていたけれど、今の自分はこう思っていると、己の中で再確認していた。

祖母がよくショパンの「雨だれ」を弾くので、また弾いてるよなんて思っていたけれど、なぜか最近「雨だれ」を聴いている。演奏はポリーニだけど。昔を再体験しているようだけど、そこはちゃんと未来へ向かっている。動画にチャレンジしようと思って、BGMにはみんながよく知っている曲がいいよなぁ、なんて楽譜を取り出して、自分でも弾いてみようという下心があって、プレリュードやソナタを聴いているのだった。

日曜日、昏々と眠って、月曜日の朝は元気に起き出して、庭のイタドリと闘う。今年はイタドリとオニノゲシの襲来に逢っている。青のアジサイはどんどん色を増して、まるでサファイヤのような色になっている。白と水色のアジサイは赤身を増して、うっすらピンク色になっているので、どうやら土がアルカリ化しているらしい。以前、酸性雨でハゲになるなんて聞いたけど、今はアルカリ雨なのか? この冬から毎晩パラパラと雨が降っているし、世界ではバッタが大群発生して、一日で3万人分の穀物を平らげているという。昆虫の大量発生、じつは人のアストラル体と深くかかわっていると言う。

過去から現在にいたるまで、人々はアストラルレベルの満足をあまりにも追及しすぎたし、あまりにも感情的な部分にこだわり過ぎてきた。少し前よく耳にした「自己虫」になり過ぎた結果、文字通り虫の襲撃の的となっているとしたら、もう、そろそろ自己虫を抜け出さなければならない。

新型ウィルスが世界に猛威を振るって、人類はフェルマータ中だ。自粛に乗じて私の日常は日月が休みになった。小休止で過去を浄化して、新しく清らかな未来を迎える。これは波動療法の改善作用というばかりでなく、人々が自分を癒すことで、世界を癒せることに、もっと本気で取り組まなくてはならないという彼方からのメッセージではないだろうか?

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コメント

    • 松本 涼
    • 2020年 7月 04日 7:41am

    フェルマータを習った時、なぜか風鈴とか仏壇の鐘の音を連想しました。
    余韻まで含めて考えるゆとりはとても大切な気がします。
    植物の遷移と昆虫の大発生は連動している。
    実は人間もそこに連動していることをつい忘れてしまうのですが、
    自然に教わることはいつもとても大きいですね。

    • 涼さん、どうも! おりんの余韻、良いですねぇ・・・。
      このところ、シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」を聴いています。
      ベルギーの詩人ジローの作品が下敷きになっています。また、ちゃんと象徴派なんですね、知らなかったけど。
      近代音楽はまさに間合いです。ちょっと「魔逢い」とシャレたいところもありますが。
      メシアンとか鳥の声に倣って作曲していたりするので、コンクリとアスファルトに囲まれた我々の心は
      音楽においても、梢を渡る風や虫の声に回帰したがっている気もします。
      涼さんがおっしゃるように、人間も連動しているの忘れちゃいけないよと、発信していくのがアートの役目。
      かくありたしです。

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