薔薇色の月
薔薇色の月
祖母が亡くなって15年、母が亡くなって5年の月日が経った。そのままにしていたけれど、住まい方を変える時が来た。彼女たちは料理が好きだったので、大事に使っていた鍋窯がある。自分も料理好きだったけれど、フルタリアンになったので、火を入れたものをほとんど食べなくなった。果物は生で食べるので、切り方が重要になってくる。それが料理といえば料理なんだけど、家人たちの人生とは、ずいぶん違うことになった。だから諸々を整理することにした。
昨日は満月だったけれど、小雨で見えなかった。そこで思い出したのが、祖母が亡くなって初めての満月のこと。当時、個展の最中で、生前の祖母を知る方たちが個展会場に、ねぎらうように来てくださった。思い出話に花が咲き、文字通り故人を偲ぶひと時となった。本当に感謝した。お寂しくなりましたねと、贈り物やお便りを頂いて、みなさんの、心からの慰めが身に染みた。おばあちゃんのことを想ってくださっているのが、痛いほど判った。
個展会場からの帰り道、UFOを見たあの広い空の一本道に出た。どーんと正面に大満月が出て、薔薇色の光を放っている。月の光が薔薇色に見えるなんて不思議に思ったけれど、きっとこれ、あの世からのプレゼントだ。言葉でもなく、品物でもなく、心の中に直接、注ぎ込まれるもの。今、目の前で薔薇色の光を放っている月の光。私の心に直接、注がれたもの、この薔薇色の月の光が象徴しているもの。私はそういうものを祖母の死によって得たので、喪失感がなかった。これが本当の慰めだった。
今や、いい思い出になりました。母が亡くなってすぐの満月は、うっすらオレンジの光輪を帯びていました。肉体から解放されて、喜びさんさんの母らしい満月でした。
月の光に亡き家族を感じる。
あの世とこの世のつながりを探求し続けるモニカさんならの発見、観察と思いました。
安らかな印象があり、読んでいて楽になりました。ありがとうございます。
月は地球の母らしいので、人の喜怒哀楽について
包み込んでくれる波動があるんでしょうね。
物質的なことより、精神的なことの方が、通じやすい。
自分もそんな印象でした。