あやまち、認識不足

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あやまち

笑う唇

あやまち

単なる手荒れだと思っていたけれど、大変な認識不足だった。当時、医療機関で働いていた私は、消毒薬と接着剤を扱う現場にいた。それなのに、手袋をあまりしないまま、ほとんど素手で作業をしていたのだ。それがどういう結果を招くのか、全く考えもせずに。そうして二年半の間、少しずつ、少しずつ、私の両手は皮下に薬剤を吸収蓄積していたのだった。目に見えないところで何かが笑っていたのに、私は気が付かないでいた。

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